オードヴィ庄内の杜氏ブログ

仮想自治体「庄内藩」

2024年10月19日

【仮想自治体・庄内藩への取り組み】

弊社、株式会社オードヴィ庄内は「清泉川」名称のブランドを持つ日本酒醸造の酒蔵であり、
明治八年創業より来年2025年4月に150年を迎える酒蔵です。
日本における日本酒造りは2000年の歴史を持ち、世界に誇る日本固有で最古のバイオ産業であり日本独自の食文化であり、また日本の国酒である。

■プロローグ、直近の話題として政治の話しを少し。

令和6年10月に石破総理が解散を打ち出し第50回衆院選挙が告示された。
定数465・小選挙区289、比例代表176議席を争う選挙となる。

先ず、今回の解散衆院選挙は、前岸田総理が退陣して次の総理選びで自民党内がギクシャクしすぎた。
この問題は、自民党派閥のパーティ券収入において「清和会・阿倍派」は各議員のノルマ以上の加算収入を派閥からキックバックして各議員に戻していた。
そのキックバックで戻された議員の中で、その収入・金額を政治資金規正法に照らして適正処理(記載)せずに、未処理のまま得ていたことが発覚し、それが「裏金問題」としてクローズアップされてしまった。

しかしこの問題は、裏金でもないし、まして税金や公的資金の不正取得でも贈収賄問題でもない。要は、政治資金収支報告書に記載し適正に処理していなかったという不記載・記載漏れの単純な問題である。
不記載の各議員は、指摘を受けて改めて修正申告を行っている。それで終了。
それは不労所得であるから脱税であり納税せよと騒ぐ輩もいるが、いやいや政治資金パーティで得た資金なのであくまで政治資金であり、未記載が判明した時点で政治資金として修正申告すべきであり、不労所得で脱税ではないかというのは勘違いです。現に、検察も国税も脱税で動いてないでしょう。

この問題は、裏金問題ではなくてあくまで不記載問題である。
全く裏金ではないという説明として、このお金はパーティ券の販売収入であること。
パーティ券を買う人は、初めから自分の意思でパー券を買うためにお金を支払うことになる。
頼まれることはあるにせよ最終的に個人または組織の自由意志でパー券を購入してもらい
得た資金であるからにして何をどう遡っても出自がハッキリしているお金であり「裏金」ではなく「表金」である。
これを無理矢理「裏金」と称して騒ぐことは、野党とマスコミのデマゴキーでしかない。
パー券で得た資金を政治資金として届け出れば、各議員が政治資金としてどのように使用しても問題はない。

この内容を踏まえるに、問題は政治資金規正法の問題であって、あくまで議員同士の内輪の話しである。まして解散衆院選の命題にはならないし、重箱の隅的問題でしかない。
議員同士が淡々と議論してさっさと規正法を改訂すれば済む話しである。
庶民への影響は皆無な問題であり、解散選挙の争点などになるべき問題ではない。レベルが低すぎる。
これをあたかも大問題の如く、裏金問題と囃し立て政治改革が必要と絶叫するのは、逆に人気取りと論点ずらし野党のプロパカンダである。もっと重大な政治課題があるだろう。

最後にダメ押しとして、
自民党以外の野党でも盛んに資金集めの政治パーティを年中行っている。
そのパーティ収入の一部を不記載にして後でバレて修正申告を行っている例は野党議員でも後を絶たない。
ということは、この問題に於いて、目くそ鼻くそを笑う範囲でしかないということである。
こんなことが解散選挙の争点になるわけもなく、裏金問題をひとつ覚えで声髙にに騒げば騒ぐほど稚拙感丸出しとなる。
日本の議会政治における民主主義と国会議員のレベルがこれである。非常に情け無い。
我々庶民も一部左派系の一見聞き心地のよさそうなプロパカンダに知らず知らず同調し、
衆愚的ポピュリズムに乗せられないよう気をつけることが肝心である。

現状の喫緊の政治課題は、裏金とか不記載問題では決してない。
それを裏金問題と称して鬼の首でも取ったような勢いで騒いでいる野党を庶民がどう見るのか、そこが問題であり、喫緊課題は、日本を取り巻く不安定な世界情勢への対応である。
世界的に日本の国をどうするのか、どう位置付けをしてどう守るのか。
国内問題は経済と少子高齢化への対応と地方創生である。
グローバル経済、安全保障問題、自然災害における防災問題、人口減少における子育て教育問題しかりである。
国会議員の役割とは、今一度それを問いたい。

政治問題はこのくらいにして、本題に入りたい。

日本の国内問題として、喫緊の課題は少子高齢化への対応と衰退する地方の地方創生と考える。山形県庄内地方に在し、150年続く酒蔵から見る地域の風景を一筆啓上申し上げる。

■我がふるさと山形県庄内地方とは、

山形県庄内地方で米作りが始まったのはおよそ2,200~2,300年ほど前の弥生時代中期と考えられているが、米作りをするための田んぼが本格的に作られたのは8世紀のことです。
712年に出羽国(現在の山形県・秋田県)が置かれ開墾が始まり、最上川からの豊富な水と、豊かな土、米作りに恵まれた気候の庄内平野は「お米のふるさと」「日本を支える米蔵」として、全国に名を馳せました。

芳醇な大地、庄内平野
現状、庄内平野の面積は約530平方kmで、東京ドーム約8,500個分の面積をもつ全国有数の穀倉地帯であり、庄内平野を取り囲むように、北に霊峰「鳥海山」東に「月山」南に「朝日連峰」を望み、この三方の山並みから湧き出る水系と日本三大急流の一つである最上川が広い庄内平野を潤しています。
近年における米収穫量の数字では、山形県全体では40万トン、庄内地方では16万トン、昔風に米1石の重さ約150キログラム相当で換算すると山形県全体で260万石、庄内平野では106万石の生産高となります。

昔から庄内の稲作農家は、新品種の選抜・品種改良や栽培技術の改善に積極的に取り組んで来た経緯があり、明治以降多くの農民育種家を輩出したことも歴史に残る快挙となりました。
現在、良食味品種としてブランドを確立しているコシヒカリ、つや姫、あきたこまち、ひとめぼれなどの主要な米の品種の祖先をたどると、庄内地方の農民が研究開発し育成した「亀ノ尾」(阿部亀治)や「森多早生」(森屋正助)などに行きあたります。
まさに山形県庄内平野は日本有数の大穀倉地帯であり、日本における「お米のふるさと」として面目躍如です。

■次の話題として、山形県及び庄内地域の人口動態について

先に山形県全体で見ると、人口のピークは、昭和25年の137万人で令和2年の国勢調査では107万人まで減少している。
庄内地方で見ると、ピークが昭和30年の37万6千人で令和2年現在で26万3千人まで減少している。
何と庄内地方では減少率69%・実質11万3千人が減少している。
このまま人口減少化が進むと2050年の予想値として17万人まで減少することが想定されている。
庄内地域全体の面積は、2,405平方キロメートルで県土の約4分の1を占め、神奈川県や佐賀県とほぼ同じ面積を有している。その面積に17万人の人口しか居なくなるという現実が迫ってきている。因みに現状の神奈川県の人口は約922万人であり、現状26万人と比較しても恐ろしい数字である。

■問題提起

現状で庄内地域には、鶴岡市・酒田市・三川町・庄内町・遊佐町の5つの市町が存在している。たった26万人の人口で5つの市町と神奈川県に匹敵する面積を維持しなければならない。今後も毎年人口が減る傾向の中でこの現状を維持出来るのか。
誰がどう考えても無理筋だということが分かるだろう。

ではどうするのか、その処方箋とソリューションは?

やり方として、分散と集合及び効率化と最適化するのみであり、
これからも毎年人口が減っていく過程で更なる分散はあり得ない。
するとか答えは自ずと集合に取り組むことになる。

集合のやり方として、市町村合併を行い庄内地域の基礎自治体を作り替えることであるが
ここで厄介なことは、地元の住民感情である。
おらの町は何処とも一緒にはならない。昔から我々の所は○○だから。
この地元住民感情が最大のネックになると予想される。

ここで出てくるのが世はデジタル社会、DX化及びデジタルソリューションの応用である。
物理的に力ずくで合併を推し進めたときの住民の拒否反応を回避するために、仮想自治体を構築する。
現状でも、ゴミ処理・焼却炉、水源管理、消防等については、広域連携が既に行われており、
複数の自治体が共同で組織運営を行っている例は数多くある。
また、市町にある公立の大型病院も次々に県立病院との合併が進んでいる。
しかし、現状直ぐに庄内地方の5つの自治体を1つに合併することは不可能であるからして、広域連携の先に、仮想自治体を庄内に構築する処方を取り入れる。
これは、現状有る市町のどこかに合併というイメージではなくて、新たに庄内を1つとする新しい基礎自治体を構築するというイメージである。
従って、この基礎自治体は県でも市町村でもなく、新たな括りとして地元民にはなじみのある「庄内藩」とする。
庄内をひとつとする仮想自治体「庄内藩」に現状5つの自治体が参加するということ。
当面、現状の自治体はそのまま残るので住民には不安感も違和感も抱かせないですむ。

では、新たな仮想自治体「庄内藩」はなにをするのか。
仮想自治体「庄内藩」は庄内をひとつにするゆるやかな連携の母体となる。
先ずは、5市町で行う広域連携事項の模索と実現に向けた施策の実施。各事業の効率化と
最適化を推し進める。
人口減少と共に疲弊していく周辺に対して、新たな視点からまとまりとしての庄内藩を示し
庄内がひとつとなって取り組む未来の地域ビジョンを策定しその取り組みと可能性を住民に示す。日本の中で庄内地域の存在意義とは何かを強烈に発信する。
庄内の地理的条件におけるポテンシャルとその価値付けを分かりやすく示す。

庄内の存在意義、地理的条件として、
日本屈指の稲作穀倉地帯として庄内における農業の推進
これは、日本の食料自給率問題及び食料安全保障について庄内は欠かせない存在である。

人口減少を見据えて地域活性化を考えたとき、将来的に庄内はひとつに集合するしか道はない。そのための仮想自治体「庄内藩」の構築とともに、庄内地方の存在意義である地理的条件における庄内平野の存在にに対して、稲作農業の効率化を行う必要があり、農業分野でも「庄内藩」と同じく集合構想が必要となる。
喫緊課題は、農業従事者の高齢化に伴う農業離れとその先に現れる耕作放棄地問題。
その解決方法として、「庄内藩」構想と同じく、庄内の農家を大胆にひとつにまとめる・ 集合構想を構築すること。
この構想にJA山形・庄内の各単協がどう絡むことが出来るのか。また集合構想の推進役として担い手になれるのか。JAに期待出来ないとすれば、地元で気概のある農場従事者が自ら立ち上がり、集合組織を立ち上げることが必要となる。
その先には、超大型区画整理された庄内の水田を端から端までGPS誘導で無人化した各農業機械とドローンが縦横無尽に動き回る未来の稲作風景が見られるであろう。

これで、庄内をひとつとする仮想自治体「庄内藩」の構築と、庄内平野の米作りにおける集合と効率化が実現されれば庄内の将来に向けた基盤が出来上がり、その基盤の上に様々な取り組みを乗せていけば庄内の将来構想がハッキリと見えてくる。
その構想を見て庄内に住むことに期待と安心出来れば、若い世代の子育ても進むと思われ、他地域から移住組も増える可能性も出てくる。

まとめとして、
・庄内の居住者に対して現状把握を進める施策の実施。
・今のままでは庄内から人が居なくなるという将来を認識させる運動の展開
・庄内はひとつ構想の展開、仮想自治体「庄内藩」の構築
・庄内平野と農業従事者を守る仕組み・庄内平野はひとつ構想の展開

安心して庄内に住んで生活する喜びを感じられるようにしたい。
安心して庄内で仕事が出来て暮らしていけるようにしたい。

来年で創業150年になる酒蔵の窓から眺める景色がこのまま200年経っても続くよう、
祈るばかりであるが、その足元にある山形県庄内の地域環境について酒造りの立場より
地域テロワール意識を強く持って地元にこだわる酒造りを心がけ、地域問題に対しても
傍観者でなく積極的な地域貢献と情報発信を行っていきたい。

長々と口説くなりましたが、この辺で。
では、お後がよろしいようで。また、お会いしましょう。

一筆啓上仕ったのは

株式会社オードヴィ庄内
事業推進部・佐藤

 

このページのトップへ

メールマガジン

お問合せ・ご注文はこちら

「注文方法がわからない!」
「お酒について詳しく聞きたい!」
などの質問も受け付けております。
お気軽にご相談ください。

営業時間 平日 午前9時~午後5時

HPから問い合わせる FAXで注文する