祝い「伝統的酒造り」世界無形文化遺産登録
2024年12月27日祝い「伝統的酒造り」世界無形文化遺産登録
先ずは無事に「伝統的酒造り」が、国内23件目の無形文化遺産登録に関して、
業界人の1人として心より感謝とお祝いを申し上げます。
「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録されたことは、日本の文化を守り、次世代に継承するための大きな一歩です。
世界に向けて日本酒造りの技術と文化をより多くの人々に発信し、日本食と共に日本酒が世界の隅々まで広がっていくことを期待致します。
現状として、国内での日本酒を取り巻く環境はかなり厳しく、日本酒の国内出荷量は、昭和48年に170万㎘を超えてピークを迎えました。
その後、日本酒の消費の落ち込みは、等級制度の廃止や、他のアルコール飲料との競合や人口減少及び飲食店の減少傾向等により、
令和5年では約39万㎘まで落ち込んでいます。
このように日本酒市場は縮小に歯止めが掛からず、全国の酒蔵も減少傾向にあります。
日本酒醸造蔵の最大数は、1974年に日本酒蔵の一大創業ブームが起こり、全国で3万件の酒蔵が誕生しました。
現状での全国の酒蔵数は、約1400件と言われており、最大値の約5%迄に縮小したことになり、残っている酒蔵も
コロナ禍で疲弊した立ち直りと消費量減少の影響により再び減少傾向が強まるリスクを抱えています。
まともな酒蔵は全国で1000件程度になるのではとも囁かれており、酒蔵の生き残りが掛かっている現状となります。
この状態を脱却する方策として、国内消費に頼らない輸出展開に舵を切り、世界を相手に生き残りをかける取り組みが
必要であり、その環境に於いて今回の「伝統的酒造り」世界無形文化遺産登録のニュースは、間違いなく全国の日本酒醸造蔵が
待ちに待った追い風になると思います。
この機会を逃さず、酒蔵自らが積極果敢に世界に打って出る取り組みが必要でありチャンスです。
商社や酒類卸会社を頼みにするのもひとつですが、酒蔵自らが内部に営業部門を置いて、自らの意思で世界に対して
営業展開を行うことが必要と感じます。
その取り組みが出来るかどうかが、今後の分かれ目になるような感じを強くしています。
さて、何から始めますか。お後がよろしいようで。