消費税とインボイス
2023年05月30日消費税とインボイス
今年の10月よりインボイス制度が実施されますが、皆さまこの制度理解してますか?
インボイス制度を理解するに当たって、今更ながら消費税の仕組みにについて少し勉強してみました。
そこで大変な驚きがありました。私だけが知らなかったのでしょうか。
今まで消費税って最終的に消費者が負担 し、事業者が預かり納める間接税と認識していたのですが、
これは全くの間違いだと初めて知りました。
それは、1989年に東京在住のサラリーマンが消費税に対して裁判を起こしたその判決内容が
ビックリ仰天です。
この裁判の内容は、免税業者が消費者から預かった消費税を税金として納めずにネコババすることは
横領であり益税だということで裁判を起こしました。
裁判の結果は原告の敗訴であり、判決理由としては、
「消費者は消費税の実質的負担者ではあるが、消費税の納税義務者であるとは到底言えない」
「消費税の徴収義務者が事業者であるとは解されないため、消費者が事業者に対して支払う消費税分は、
あくまで商品や役務の提供に対する対価の一部としての性格しか有さない」という内容です。
ということは、事業者は預り金として消費者から消費税分を預かっているわけではなく、
あくまで商品やサービスの価値として、その金額を受け取っている。ということです。
よって、現在、消費税と呼ばれてるものは消費者から預かって支払う間接税では無くて、
事業者が支払う直接税ということになります。
改めて整理すると
消費税は消費に掛かる間接的な税金ではなくて、
事業者の売上げに掛かる直接税ということです。
もっと分かりやすくいえば、
事業者は直接税として、所得税を支払っています。
消費税と呼ばれているものは、事業者からみると第二の所得税ということです。
では、何が違うのか?
所得税は、純利益に掛かる税金です。ですので赤字会社は支払う必要はありません。
一方で消費税は、粗利益に掛かる所得税となり、赤字でも支払い義務が生じます。
また、消費税の負担は最終消費者ということで説明されてきましたが、
法律的に消費者は消費税の負担者であるとは定義されていません。
消費税の納税義務は事業者のみあり、その事業者は消費税の徴収義務がありません。
ということからも、この消費税というのは、最終消費者には関係なくて
事業者が支払う直接税であり、第二の所得税ということになります。
皆さま、えっー? でしょう。
今まで、何を説明されてきたのか。今までの説明は全て「嘘」じゃん。となりますね。
じゃあ、最終消費者である我々は消費税支払う義務がないじゃん???。そのとおりです。
消費税は事業者が払うものであり、消費者は消費税を払う法的義務はないのです。
すると、レシートに本体価格○○円、消費税○○円と書かれていますので、
私は個人的消費者ですから、消費税を支払う義務はありません。
消費税分は払い戻ししてください。と事業者に要求することが出来るということになります。
ここで、更にえっー? でしょう。
この監督官庁が名付けた現在の「消費税」は、本来説明している消費税という仕組みではないということです。
これは、事業者の粗利益に掛かる第二の所得税であり、ヨーロッパでいうところの「付加価値税」です。
ここからですが、消費税にインボイス制度を導入するということは、
上記の説明から、消費税は間接税では無い仕組みを改めて法的にがんじがらめして
今まで消費税制度のグレー部分を補完し完璧な制度に仕上げる。ということになります。
「インボイス」の正式名称は「適格請求書」です。
インボイス制度の導入後は、仕入税額控除をする条件として「適格請求書発行事業者が発行する適格請求書を受領すること」が求められます。
この適格請求書は「適格請求書として登録している事業者」しか発行できません。
適格請求書発行事業者になるには、登録申請を行う必要があります。
適格請求書発行事業者には課税事業者しかなれません。
事業者が相手事業者より適格請求書をもらえないどうなるのか。
それは、もらえなかった事業者が自身で余分な消費税を納める。ということになります。
ですので、全事業者がこの仕組みから逃れることが出来なくなります。
さあ、どうしましょうか。
インボイス制度導入反対の声・意思を大っぴらに広げて、監督官庁に圧力を掛けること。
関係する政治家に、インボイスに賛成するなら、次の選挙は無いぞ!と運動することかな。
最後に
失われた30年とは、バブル崩壊後の90年代初頭から現在までの期間を指す言葉ですが、
この間、経済が低迷して、非正規雇用が増えて、給料が上がりませんでした。
この原因の一端は、消費税が上がり続けた事による企業側の防衛策が原因ということなのです。
所得税で取られて、更に消費税も上がり続けて負担が大きくなる。
その対応として各企業は、粗利益に掛かる第二の所得税である消費税対策を何処に求めたか。
給与を減らして、非正規を多くしてそれを原価に入れ、粗利を圧縮して消費税額を少なくする。
という対応を取ったことにより、この30年間給与は上がらずじまいとなってしまいました。
原因は、直接税である名ばかりの消費税の仕業です。
消費税の監督官庁って何処でしたっけ?
ハイ、お後がよろしいようで。