国酒・日本酒の始まり
2022年01月20日
正月は初詣に行き、家の神棚には御神酒を揚げて拝み、その御神酒を家族で呑んで一年の無病息災を祈る。この御神酒の正体は清酒と呼ばれる日本酒であり、御神酒とは神前に供える酒であり、古来より神事や祭礼などで神様に献上する食事のひとつとして日本酒をお供えする習慣がありました。
神前に供えられたお酒には神霊が宿るとされ、祭礼のあとに“お下がり”としてふるまわれることで、ご利益があるとされています。
一説によると、神様にお供えするお酒を「ごしんしゅ」と読み、ふるまわれるお酒は「おみき」と読むというふうに、同じ漢字で読み方が変わるともいわれています。このように日本酒の起源は、神に捧げるお酒であり日本文化を象徴する国酒になります。
日本酒の始まりを紐解くと、
「大隅国風土記」に記載されている酒の記述が、お米を原料としたお酒にまつわる記述として最古と考えられています。
ふかしたお米を口の中でよく噛み、唾液に含まれる酵素の力で糖化し、野生の酵母を使って発酵を行う「口噛みノ酒」です。
口噛みの作業を行うのは、神社の巫女に限られていたといわれています。日本酒は、神様にお供えし神事で使うために造られたといわれ、巫女が口の中で醸す酒は何とも貴重で神聖なものです。
その後、発酵技術が進んでお酒の造り方も進化し、当初造られた「どぶろく」の時代が進化すると、
もろみを濾して澄んだお酒・清酒が誕生します。
その発祥は奈良市にある正暦寺と、伊丹市の鴻池とする二説があります。
江戸時代になると関西で醸造された日本酒がが上等とされました。関西から船で運ばれた酒を「下り酒」と呼び、このミネラル分のある軟水系の伏流水を用いた質の良い水と、高い醸造技術で醸されて江戸に運ばれて来た下り酒は、当時の江戸では大変人気があり、高額で取引されたようです。
逆に、関東の硬い水質を使って造られたお酒は西の酒と比べて不味いとされ、下って来ない不味いお酒は「下らない」と言われたと。
これは信じる人のみの都市伝説ですが。
では、お後がよろしいようで。
この辺でお開きに致します。